2015年 01月 25日
オリエンタリズムとしての関西人像について |
「ほらメジロや!そこにメジロがおるでぇ!」
見知らぬおっさんが私の耳許で叫んだ。
…と思ったが、実際は私から数メートル離れたところで叫んでいた。
(そんなに叫べばメジロも逃げるだろうに…)
「おっ!兄ちゃんもエラいしっかりしたカメラ使てるやんけ!なんやこれ!なんや?!」
私は一切おっさんの顔を見ないようにした。私は唇を固く引き結び、ぷるぷるぷるぷる震えていた。
(どうしてこんなにもグイグイ来るのだろう。頼むからどこかに行ってくれないだろうか…)
とうの昔にメジロはどこかへ行ってしまった。
おっさんは私の隣に歩み寄ると、私のカメラを覗きこんだ。
「あっ!!!」
びくっとして私はおっさんの顔を見てしまった。なんというか、とてつもなく大袈裟な表情をしていた。
「イオスのナナマルディーやんけ!新しいええやつや!なぁ!せやろ!?」
「はぁ」
私は極力曖昧な返答をするように心掛けた。明確な意思表示をしてはならない。会話を成り立たせてしまってはならない。これは断じて会話ではない。おっさんの独り言である。私は会話に参加していない。
私は迅速に以下のようなロジックを作り上げた。これは会話ではないのだから、私は好きなタイミングでここを立ち去ることができる。もしこれが会話であったら、「会話には始まりと終わりがある」という当たり前のルールに基づいて、立ち去るためにはまず、「会話を終わらせる」という行為が求められてしまう。私にはそれを遂行する自信がなかった。でも大丈夫!これは会話ではないのだから!
「最近買うたな兄ちゃん!まだカメラ初心者やろ!勉強せなあかんなぁ!なぁ兄ちゃん!え?!」
「新しいやろ!なんやなんや~?あっ!わかったで~!ボーナスで買うたんやな?せやろっ!?」
「あっ!傷がついとるで!あ~あ兄ちゃん、傷がついてしもてるやんか~!」
*
Harima氏はのちに、今日のこの出来事を振り返ってこう述べた。
「あれは安っぽいドラマに登場する、関東の人間の勘違いに基づいて造り上げられた、『イメージとしての関西人』が具現化したような存在であった。私は関西に住んで久しいがあんなコテコテの関西弁の応酬を浴びせかけられたことは一度としてなかった。実に恐ろしい体験であった。」
Harima氏は、怯えたように目玉をきょろきょろ動かしながら、毛布に包まって震えていた。
*
私は折りを見ておっさんのもとから離れた。川鵜が飛び去っていった。
「おっ!ウや!ウや!」という声が公園中に鳴り響いた。
*
昨日撮った公園の鳥たち。
朝イチ、虫を食べるツグミ。ツグミには~~ツグミと色んな名前があるそうですが、ちゃんと勉強していないので、ツグミでご勘弁を。

久々にヤマガラ。

泣きボクロのセクシーなヤマガラちゃん。


シジュウカラ

珍しい鳥も良いけれど、普段見かける小鳥もかわゆいのです。
見知らぬおっさんが私の耳許で叫んだ。
…と思ったが、実際は私から数メートル離れたところで叫んでいた。
(そんなに叫べばメジロも逃げるだろうに…)
「おっ!兄ちゃんもエラいしっかりしたカメラ使てるやんけ!なんやこれ!なんや?!」
私は一切おっさんの顔を見ないようにした。私は唇を固く引き結び、ぷるぷるぷるぷる震えていた。
(どうしてこんなにもグイグイ来るのだろう。頼むからどこかに行ってくれないだろうか…)
とうの昔にメジロはどこかへ行ってしまった。
おっさんは私の隣に歩み寄ると、私のカメラを覗きこんだ。
「あっ!!!」
びくっとして私はおっさんの顔を見てしまった。なんというか、とてつもなく大袈裟な表情をしていた。
「イオスのナナマルディーやんけ!新しいええやつや!なぁ!せやろ!?」
「はぁ」
私は極力曖昧な返答をするように心掛けた。明確な意思表示をしてはならない。会話を成り立たせてしまってはならない。これは断じて会話ではない。おっさんの独り言である。私は会話に参加していない。
私は迅速に以下のようなロジックを作り上げた。これは会話ではないのだから、私は好きなタイミングでここを立ち去ることができる。もしこれが会話であったら、「会話には始まりと終わりがある」という当たり前のルールに基づいて、立ち去るためにはまず、「会話を終わらせる」という行為が求められてしまう。私にはそれを遂行する自信がなかった。でも大丈夫!これは会話ではないのだから!
「最近買うたな兄ちゃん!まだカメラ初心者やろ!勉強せなあかんなぁ!なぁ兄ちゃん!え?!」
「新しいやろ!なんやなんや~?あっ!わかったで~!ボーナスで買うたんやな?せやろっ!?」
「あっ!傷がついとるで!あ~あ兄ちゃん、傷がついてしもてるやんか~!」
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Harima氏はのちに、今日のこの出来事を振り返ってこう述べた。
「あれは安っぽいドラマに登場する、関東の人間の勘違いに基づいて造り上げられた、『イメージとしての関西人』が具現化したような存在であった。私は関西に住んで久しいがあんなコテコテの関西弁の応酬を浴びせかけられたことは一度としてなかった。実に恐ろしい体験であった。」
Harima氏は、怯えたように目玉をきょろきょろ動かしながら、毛布に包まって震えていた。
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私は折りを見ておっさんのもとから離れた。川鵜が飛び去っていった。
「おっ!ウや!ウや!」という声が公園中に鳴り響いた。
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昨日撮った公園の鳥たち。
朝イチ、虫を食べるツグミ。ツグミには~~ツグミと色んな名前があるそうですが、ちゃんと勉強していないので、ツグミでご勘弁を。

久々にヤマガラ。

泣きボクロのセクシーなヤマガラちゃん。


シジュウカラ

珍しい鳥も良いけれど、普段見かける小鳥もかわゆいのです。
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by Harimabirder
| 2015-01-25 19:40
| 野鳥