2015年 03月 10日
陰翳礼讃 |
案の定体調を崩し、昨日は早めに仕事場から帰らせていただき耳鼻科に行った。恐怖の三時間待ちであった。
*
さて、土曜日の夜の話。
京都には何年か前から「花灯路」というイベントがある。春と秋、それぞれ桜と紅葉の季節の少し前に開催される。春は「東山花灯路」、秋は「嵐山花灯路」であるが、繰り返そう。桜と紅葉の季節の少し前に開催される。
(ここまで書いたところで日欧野球、日本チームが逆転)
えーっと、花灯路がどういうイベントかと言うと、これは京都の路地だとか神社仏閣だとかがライトアップされるイベントである。男子学生は黒髪の乙女と連れ立って花灯路に行くことに憧れつつ、「あんな浮わついたイベント!」と悪態をつく。
「桜と紅葉のシーズン前は観光客数が落ち込むらな!ふん!」
*
さて、その花灯路にあわせて様々な催しがある。今回はその一つ、「舞妓・芸妓による奉納舞踊」を撮りに行ってきたので、その写真を紹介したい。
この日、京都はしとしとと雨が降っていた。
そのおかげか、八坂神社の人は(予想よりも)少なかった。
花灯路といえば足の踏み場もないほどに人、人、そして人!というイメージを抱いていただけにこれは嬉しい誤算であった。
奉納舞踊の40分前に到着する。すでに舞台正面は確保されていたが、側面の最前列を確保することが出来た。これも雨のお蔭である。数分後には周囲をぐるりと観衆が取り囲んだわけだから、まさしくベストタイミングの到着であったと言えよう。
開始時刻が近付くにつれて、雨は益々強くなっていた。境内を照らすライトの灯りが雨粒の向こうにぼやけている。舞台のぐるりを傘の群れが取り囲んだ。私は最前列であるから、屋根の下にすっぽりと収まっていた。これは非常に幸運であったと感謝せねばならない。
やがて、舞台を照らす小さな照明が灯った。
舞妓・芸妓たちが舞台に登る。薄暗いなかに着物の鮮やかさ、白粉の白色が浮かび上がるように見えた。照明から投げ掛けられた光が鮮烈に陰翳を作り、ふと、「あざやかな陰翳」という奇妙なフレーズが頭を過ったりした。







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さて、土曜日の夜の話。
京都には何年か前から「花灯路」というイベントがある。春と秋、それぞれ桜と紅葉の季節の少し前に開催される。春は「東山花灯路」、秋は「嵐山花灯路」であるが、繰り返そう。桜と紅葉の季節の少し前に開催される。
(ここまで書いたところで日欧野球、日本チームが逆転)
えーっと、花灯路がどういうイベントかと言うと、これは京都の路地だとか神社仏閣だとかがライトアップされるイベントである。男子学生は黒髪の乙女と連れ立って花灯路に行くことに憧れつつ、「あんな浮わついたイベント!」と悪態をつく。
「桜と紅葉のシーズン前は観光客数が落ち込むらな!ふん!」
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さて、その花灯路にあわせて様々な催しがある。今回はその一つ、「舞妓・芸妓による奉納舞踊」を撮りに行ってきたので、その写真を紹介したい。
この日、京都はしとしとと雨が降っていた。
そのおかげか、八坂神社の人は(予想よりも)少なかった。
花灯路といえば足の踏み場もないほどに人、人、そして人!というイメージを抱いていただけにこれは嬉しい誤算であった。
奉納舞踊の40分前に到着する。すでに舞台正面は確保されていたが、側面の最前列を確保することが出来た。これも雨のお蔭である。数分後には周囲をぐるりと観衆が取り囲んだわけだから、まさしくベストタイミングの到着であったと言えよう。
開始時刻が近付くにつれて、雨は益々強くなっていた。境内を照らすライトの灯りが雨粒の向こうにぼやけている。舞台のぐるりを傘の群れが取り囲んだ。私は最前列であるから、屋根の下にすっぽりと収まっていた。これは非常に幸運であったと感謝せねばならない。
やがて、舞台を照らす小さな照明が灯った。
舞妓・芸妓たちが舞台に登る。薄暗いなかに着物の鮮やかさ、白粉の白色が浮かび上がるように見えた。照明から投げ掛けられた光が鮮烈に陰翳を作り、ふと、「あざやかな陰翳」という奇妙なフレーズが頭を過ったりした。







by Harimabirder
| 2015-03-10 20:32
| 京都